コロナ禍の中、今年の夏はスポーツが目白押し。57年ぶりの東京オリンピックに続き、現在はパラリンピックが開催。日本人選手がメダルを獲得するなど盛り上がりをみせている。自転車女子個人ロードタイムトライアルに出場した杉浦佳子選手(50)は五輪・パラ夏冬の男女を通じて最年長で金メダルを獲得。アテネ、北京、ロンドンの3大会連続で走り幅跳び選手として出場した谷(旧姓・佐藤)真海選手は出場種目を変えてトライアスロンに挑戦した。障害を乗り越えて懸命にプレイする姿には勝敗に関わらず、見る人の心を打つ。

 甲子園の高校野球も名場面が満載。コロナ感染による棄権、入場制限などと運営面での苦労があったと思うが、終わってみれば多くの感動的なシーンが生まれた。優勝した智弁和歌山は「礼に始め、礼で終わらせたかった」と、マウンドに集まって喜びを爆発させず、ゲームセットのあとはすぐにホームベース前に整列。相手の智弁学園の選手たちに深々と一礼した姿が印象に残った。コロナで出場することさえできなかった高校の球児たちにも気遣った行動だったのかもしれない。インターネットでは「高校生らしい振る舞いで、好感が持てる」などという書き込みが相次いだ。

 プロ野球の世界も熱い。セ・リーグでは巨人、阪神、ヤクルトの3チームがデッドヒート。29日には巨人が4月1日以来の首位に立ち、2位にヤクルト。阪神は4月4日以来守ってきた首位の座を明け渡して3位に転落。3チームとも僅差だが、幼い頃から阪神を応援し続けてきた筆者にとっては、阪神のもうひと踏ん張りに期待し、16年ぶりの優勝を見せていただきたい。そうなれば、スポーツで感動づくしの最高の1年となるのだが…。(雄)