写真=切目辻トンネルが新設される国道424号の現場

 県は今年度、みなべ町清川から田辺市龍神村にまたがる主要幹線道路、国道424号切目辻トンネルの新設工事に着手する。8日開会の議会9月定例会に、工事請負契約の締結についての議案を提案。60年以上前に完成した現在のトンネルは幅員が狭く、乗用車同士の対向も困難となっており、新しいトンネルが完成すれば利便性の向上と安全性が高まると期待されている。

 清川地内の国道424号は対向2車線への改良工事が進んでおり、残る未改良区間は切目辻トンネルを含む約1㌔区間のみ。この区間も2018年度に事業化され、昨年度から現場で工事が進められている。

 切目辻トンネルは国道424号(通称・龍南線)の龍神村とみなべ町の境界にあり、1957年に完成した長さ約420㍍の古いトンネル。天井の高さは5・5㍍と低く、道幅も5・4㍍と狭いうえ、岩盤に吹き付けたモルタルが洞窟のようにでこぼこしている。乗用車同士の対向が困難で、県に対して早期改良の要望が以前から寄せられていた。

 新しく整備する切目辻トンネル(仮称)は、現在のトンネルからみなべ方面へ約600㍍の地点を起点に、龍神村へ延長829㍍を整備。現在のトンネルの西側に平行して設置される形となる。対向2車線の幅員を確保する計画で、トンネルの両出口でそれぞれ約200㍍区間の道路を新しく整備するため、新設する道路の延長は1・2㌔となる。現在の未改良区間は幅員が狭くカーブの連続となっているが、新トンネルを含めて新設する1・2㌔はほぼ直線で、スムーズな通行ができるようになる。

 新設するトンネルの清川方面出口につながる道路は昨年度から工事が進められており、今は基礎工事が終わった段階。今後はかさ上げして道路を新設する。トンネルは一般的な掘削方法のNATM(ナトム)工法で掘り進める計画。工期は690日で、2023年度中に完成させ、早期の供用開始を目指す。

 工事請負契約は、三井住友・丸山・共栄特定建設工事共同企業体と22億2970万円での締結について承認を求める。