8月は一年のうちで最も戦争のことを考える月になる。映画配信サービスでも戦争映画が多く配信される。そんな中、最近「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」という映画を見た。冬戦争(1939~1940年)でソ連に国土を奪われたフィンランドが、第二次世界大戦時に枢軸国側につきナチス・ドイツなどと領土奪還を目指してソ連に侵攻した「継続戦争」をテーマにした映画。徴兵され戦場で戦う兵士の姿が描かれ、上官に歯向かうなど日本の戦争映画とは異なる部分もあるが、家族と祖国を思って戦う姿には共通するものを感じた。
本紙では、毎年8月に日高地方に関する戦争体験者の声を掲載している。筆者も体験者1人を取材した。今回、取材したのは、太平洋戦争が始まった年に小学校に入学し、戦争一色の小学校時代を過ごした人だ。朝礼では校長が戦果を報告し、天皇陛下がいる方角に最敬礼で始まる。グラウンドは芋畑になり、暑い中も肥料を運ばされ、溝の水を飲むことも許されない。兵隊の父親からもらったアメを友達にあげようとすると、その母親から「非国民」と罵られるなど、今では考えられないような環境を生きてきた。一方、こっそりイモを食べようと誘ってきた先生や、徴兵されたことを嘆く兵隊など、当時の時代背景からは考えにくい話も聞けた。これも子ども相手だったので、兵隊らの本音が出たのだろう。
戦後76年。終戦時に小学生だった人たちももう80歳を超えている。こういう話を聞くことができるのも、本当にあと数年かもしれない。体験者の声を読んでもらい、一人でも平和のありがたみを実感してもらえることを願いたい。 (城)

