県内で、風邪のような症状で乳幼児がかかると重症化することがある「RSウイルス感染症」が猛威を振るっている。

 定点医療機関から最新1週間(第29週、7月19~25日)に報告された患者数は265人で、過去5年間の同時期に比べてかなり多い状況。御坊保健所管内も25人と多くなっており、感染予防のため手洗い、うがいの徹底を呼びかけている。

 県内1定点医療機関当たりの患者報告数は8・83人で、全国(4・64人)の約2倍。御坊保健所管内は12・50人と多く、6月下旬から増加し始め、4週前(6月21~27日)の8・50人から、3週前(6月28日~7月4日)が10・00人、2週前(7月5~11日)が25・00人、前週(7月12~18日)が14・50人と過去5年の同時期と比べて多い状態で推移している。

 同保健所は市町や幼保、こども園に啓発。ピークを過ぎて徐々に減少しているが、再び増加する可能性があり、また、0歳児の患者が増えており、継続して注意が必要としている。

 RSウイルス感染症は発熱や鼻水が主な症状の呼吸器の感染症で、通常は軽症で済むが、一部はせきがひどくなり、肺炎や細気管支炎といった重篤な症状を引き起こすことがある。生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ全ての子どもが感染するとされているが、終生免疫は得られないため何度も繰り返して感染。ただ、再感染以降では風邪のような症状のみで治ることが多いという。