2021年度近畿高等学校総合文化祭書道部門の県選考会で、紀央館高校書道部(石田真弓顧問)の5人が県代表に選ばれた。74点を選考し、星林高の3人と合わせて8人が代表。11月20日に滋賀県で行われる近畿高校総合文化祭に出場する。

 代表に選ばれたのは、笠松紗衣さん、小西未矩さん、長峪伊翔季さん、加賀友弥さん(以上3年)、細田菜月さん(2年)。いずれも2尺×8尺(60㌢×242㌢)の用紙を縦に使って漢字作品を書いた。

 笠松さんは清代末期の書家・趙之謙(ちょう・しけん)の書を臨書。16文字ずつ4行に書いた。「線が太く、1文字の中で線と線の間の空間があまりないため、つぶれてしまわないようきれいに書くのに苦心しました。出品した作品は今までで一番の出来栄え。初めて近畿に選ばれて、とてもうれしいです」と喜んでいる。

 昨年に続いて2年連続の近畿出場となった小西さんの作品は「孫秋生劉起祖等造像記」で、以前から取り組んできたテーマ。「角ばった特徴的な書体で、力強く書いてその特徴がうまく表現できるよう心がけました。2年連続で選んでいただいて、うれしいです」と話している。

 長峪さんも趙之謙の臨書。24文字ずつ5行で書いた。「文字の並びをきれいに、左右の高さなどがずれないように細心の注意を払って書きました。選ばれるとは思っていなかったのでとても驚きました。うれしいです」。

 加賀さんの作品は徐三庚(じょさんこう)の臨書。篆書(てんしょ)の大きな文字で書かれた文の両側に小さく行書の文が書かれているという変わった形式。「左右が同じバランスできれいに書けるように気をつけました。行書は今回初めて書いたので自信がなく、選んでいただけるとは思いませんでした。うれしいです」と話している。

 細田さんの作品は「雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)」で、楷書の代表的な書。16文字ずつ4行に書いた。「同じような形の文字が並ぶ箇所があるので、単調になるのを避けて変化をつけるように気を配りました。選んでいただけてとてもうれしいです」。

 近畿総合文化祭では、展示と交流が行われる。5人は「マスク越しの交流となるのですが、他の高校の皆さんと書を通じて触れ合えるのが楽しみです」と笑顔で話している。