中学や高校から地元を離れ、スポーツの強豪校に進学するアスリートが、日高地方でも近年多くなっている。一昔前は野球留学といわれ、野球の強豪校に進む生徒が多かったが、最近は幅広いスポーツにわたっている。バレー、テニス、サッカー、柔道、バスケットなどなど、本紙でも連日、地元出身選手の活躍が紙面に躍っている。小中学生のころに取材させてもらった選手もたくさんいて、紙面から伝わってくる頑張っている姿になんだかうれしくなる。負けていられないと大きな刺激を受けている同世代も多いのではないだろうか。

 個人的には、柔道の高みを目指して、小学校を卒業してから東京の国士舘中学校に進学した久保井亜門君が中体連東京都大会で優勝して全国出場を決めたことが印象深い。子どもが同級生で、保育園のころから身近に見ていたので、都大会を制した、ずいぶんたくましくなった姿に感慨ひとしお。2年間でなんと骨折4回、昨年はコロナで練習もままならない苦難を乗り越えてつかんだ全国切符。どれだけ厳しい練習を重ねてきたのだろう、引き締まった体と表情から見て取れた。

 高校バレー界でも全国出場を決めた全国上位常連校に地元選手が名を連ねている。すべての競技が2年ぶりのインターハイ、コロナ禍を乗り越えて大きく成長したアスリートの活躍が楽しみで仕方がない。東京オリンピックもいよいよ今月23日に開幕する。コロナ禍を乗り越えたアスリートの真剣勝負が繰り広げられる。そんな選手の姿を見て、刺激を受けた金の卵たちが次の五輪を目指す。日高地方から五輪選手が出ることを楽しみにしながら、東京五輪観戦を大いに楽しみたい。(片)