和歌山を本拠地とする社会人サッカークラブ、アルテリーヴォ和歌山が、チームのシンボルとなる旗を初めて制作。御坊市の「そめみち染物旗店」の染道祥博さん(42)が企画に参加し、チームのエンブレムに使われている八咫烏(ヤタガラス)をモチーフに家紋風のデザインに仕上げた。

 旗の素材は麻で、大きさは縦横1㍍。チームカラーのグリーンを基調に、戦国武士団の象徴である馬印をイメージしている。公式戦などで掲げられ、「紀州の誇り」を象徴する旗として使われる。支柱には創業100年以上の歴史がある日高町原谷の金崎竹材店が協力し、特産の黒竹を使用している。

 アルテリーヴォ和歌山は関西サッカーリーグ1部に所属し、Jリーグ加盟を目指す社会人チーム。クラブ名の「アルテリーヴォ」はイタリア語の「ARTE(芸術)」と「ARRIVO(到達)」を合わせた造語。

 今回の旗はクラブが進める地域産業との連携企画で制作。美浜町のチームスタッフ吉田郁生さん(30)と親交のある染道さんが制作に関わり、染色作業などを手がけた。

 北口雄一監督(33)は「古風でシンプルでスタイリッシュなデザイン。これを機にチームを盛り上げていきたい」、染道さんは「チームカラーのグリーンを旗にマッチさせるのに気を使った。チームのパワーアップにつながれば」と話している。20日に串本サンナンタンランドで行われる関大クラブ戦でお披露目される。

 クラブのグッズとして販売される小風呂敷とコースターの染色作業でも染道さんと連携し、チームの3選手がそめみち染色旗店の工房を訪れて実際に染色したほか、染道さんと北口監督との特別対談動画も動画投稿サイトユーチューブにアップされた。