写真=「お気軽に確認電話の活用を」と署員

 還付金があります――これはわなや。御坊署管内を含む県内で今年、還付金詐欺の被害が急増しており、警察が注意を呼びかけている。公的機関の職員を名乗り、還付金が受け取れるとだましてATMに誘導、お金を振り込ませる手口。同署管内でも、特殊詐欺につながるいわゆる「アポ電」が毎日のように確認されており、警戒を強めている。

 今年5月末までの県内特殊詐欺被害は、被害額が約2800万円で前年同期と比べて約3700万円減少しているが、認知件数が27件で8件増加。昨年1年間の32件に半年足らずで迫っている。

 今年の27件のうち、手口別では昨年0件だった還付金詐欺が15件と多発。御坊署管内の1件を含め、5月だけでも9件の被害が発生している。還付金があるように装い、ATMに誘導したうえ現金をだまし取るといった手口。同署管内でも毎日のように、市町の職員をかたった電話が確認されている。

 24時間対応の「ちょっと確認電話」(0120―508―878)は今年3月から運用開始。下6桁の「508・878」を「これは わなや」の語呂合わせにしている。昼間は警察職員や警察OBの「特殊詐欺被害防止アドバイザー」ら、夜間や休日は当直員が対応する。

 御坊署も警戒を強化しており、関係機関に協力を要請。チラシの配布も行っていく。また、詐欺電話の内容や注意はじめ、防犯、子どもの安全、交通関係の情報、警察からのお知らせをタイムリーかつピンポイントに提供する県警の電子メール配信サービス「きしゅう君の防犯メール」の利用も啓発。「ATMで還付金を受け取る手続きはできません。『今日中』といったワードも要注意。『確認電話』はかけて損なし。確認なので、お気軽に活用してください。また、警察庁のホームページで特殊詐欺の実際の音声も公開されていますので、聞いてもらって被害に遭わないよう意識を高めてほしい」としている。