新型コロナウイルスが昨年1月16日に日本で初めて確認され、2年4カ月が経過した。この間、学校が長期にわたって休校となるなど大きな影響が発生。観光客も激減し、飲食店や宿泊施設などは悲鳴を上げている。世界的にみても都市が封鎖されるロックダウンが行われ、パニックに陥った。

 当初は「インフルエンザのように気温が高まる夏場になれば、感染力が弱まり、感染者が一気に減少するのではないか」という希望的な声も聞かれたが、夏になっても猛威は衰えず、その考えは数カ月先に覆された。今後も予断は許されない状況で、開催間際となっている東京オリンピックに対しても国内外から反対する意見が上がっている。

 経済的にも大きなダメージを受けた。しかし、景気指数の一つでもある株価は堅調で推移。日経平均でみると、コロナ発生後の昨年3月18日に1万6358円まで暴落したが、その後はコロナ禍が続く中も順調に回復。今年2月15日の終値は30年ぶりに3万円を超えた。3日は2万8946円で取り引きを終え、依然として高値をキープしている。日本だけでなく、アメリカ市場のダウ平均も堅調な動きだ。

 株価には実体経済以外にも政府の支援策などさまざまな要素が織り込まれるというが、現状の経済状況をみていると、株価ほどの好景気は感じられないというのが大方の見方だろう。ただ、株価は半年先、1年先を見据えた動きをすると言われる。そのことだけを考えれば、もう少しすれば、景気が回復し、コロナ禍前の活気ある社会に戻るのかもしれない。株価の高値がコロナ克服のシグナルとなっていることを期待したい。(雄)