県は2日、新型コロナのワクチンが今月28日の週までに県内20市町で、65歳以上の高齢者分を上回る配分見込みがあることを公表し、次のステップとなる60~64歳と基礎疾患のある人への接種を順次進めるよう各自治体に求めた。日高地方でも先行している由良、印南、みなべの3町に配分があり、7月中にも接種をスタートさせる。

 首相官邸ホームページで公表されている全国の65歳以上のワクチン接種状況は先月30日現在、和歌山県が26・82%でトップ。県内での65歳以上を対象にした高齢者ワクチン接種は7月末までに全30市町村で終了する見込みとなっているが、仁坂吉伸知事は先月26日、河野太郎ワクチン接種担当大臣に今後もワクチンが途切れることなく供給されるよう強く要望していた。

 新たに公表されたワクチン配分量は今月21日と28日の週を合わせて県内で計227箱(1箱=1170回分)あり、うち65歳以上の高齢者分を上回る配分は169箱で、由良町1箱、印南町2箱、みなべ町1箱。このうち印南町は2日、ワクチン接種推進プロジェクトチーム会議を開き、60~64歳(基礎疾患含む接種予定人数522人)の集団接種の1回目を7月15・29・31日、2回目を8月5・19・21日で実施することを確認。さらに、65歳以上の一日当たりの接種人数を試験的に増やす計画もあり、順調にいけば60~64歳の接種を7月上旬スタートに前倒しする。これらのめどがつけば59歳以下にも接種していく。由良とみなべ町の担当課も「日程は決まっていないが、間隔を空けずにどんどん進めていきたい」と話している。

 仁坂知事は「ワクチン接種率が上位の県はワクチン配分を〝満額〟でくれることになった。和歌山県も希望通りの量をいただき、政府に感謝している。これで待つことなく次の段階へ行けるようになった」と話している。