写真=「由良町のPRに貢献したい」と武田さん

 行政や住民と協力しながら地域農業の活性化に取り組む由良町の地域おこし協力隊に、大阪市出身の武田青空(そら)さん(18)が15日、着任した。町の農業振興に対する地域おこし協力隊の採用は今回が初めてで、3年後には町内で独立就農を目指す。同日、山名実町長にあいさつし、「由良町のPRに貢献できるように頑張ります」と意気込みを語った。

 都市地域から過疎地域などに住民票を移し、地方公共団体が協力隊として採用する国の制度を活用。同町ではこれまで観光振興に対する地域おこし協力隊を2人採用した経験がある。今回で3人目。

 活動内容は▽労働力不足や担い手不足という課題を解決するため、町内全域の農業経営者のもとで農作業に従事▽独立就農に向けて作物栽培や農業経営に必要な知識と技術を習得する▽耕作放棄地化が見込まれる農地等を維持管理し、次世代の担い手につなぐ活動――としている。期間は最長3年間。

 武田さんはこれまで農業との関わりはなかったが、小さい頃から自然や生き物が好きで、アイドルグループ「TOKIO」が出演する番組「ザ! 鉄腕! DASH!!」を毎週見ていたという。家庭菜園でミニトマトを栽培した経験もあり、自然の中で働きながら作物づくりができる農業に興味を持っていた。

 高校卒業後の進路を考える中で、昨年11月に大阪市梅田で開かれた就農フェアに参加。由良町のブースが目に留まり、町が募集していた地域おこし協力隊に応募。今年2月に面接試験で初めて町を訪れ、「海や山がとてもきれいで、このまちで働きたい」という思いを一層強くしたという。

 同日、山名町長にあいさつに訪れ、「高校時代は弓道をやっていました。精神力や体力を鍛えたことを生かして頑張ります」と意気込みを話し、山名町長は「農業の後継者は少なくなっています。将来の農業を担ってください」と激励していた。