由良町里に本社を置く中紀バス株式会社(高垣太郎社長)は1日から、70歳以上の路線バス利用者を対象に運賃を半額にする高齢者福祉サービスを始めた。同社が運行する路線は由良町以外にも御坊市、日高町などにまたがり、住所を問わず割引が適用される。全国的にも珍しい取り組みで、高齢者の外出支援に期待されている。
同町は2017年度から実施していた「福祉タクシー券助成事業」を今年度から拡充させ、これまでのタクシー利用だけでなく、路線バスでも活用できる利用券1冊(100円券150枚綴り)を80歳以上の高齢者や障害者らに交付。制度を見直す際に山名実町長が同社に対し、「例えば、高齢者の運賃を半額にできないか」などと打診。中紀バスが今年3月に70歳以上の乗車運賃を半額にすることを、国土交通省から認可された。
中紀バスが運行している路線は日高地方では由良町、御坊市、日高町の3市町で4コース。広川町、湯浅町を通る1コースを含めると、計5コースとなる。これまでにも身体障害者、運転免許証返納者の運賃を半額とする制度を設けていたが、今回新たに70歳以上を割引対象に加えた。料金支払い時に年齢が分かる身分証明証を提示すると運賃が半額になる。
同日、中紀バスの秀年伸常務取締役(65)と上平忠生執行役員(45)、山名町長らが記者発表。秀常務取締役は「山名町長の要望に応えられてうれしい。地域の高齢者福祉につなげていきたい」、上平執行役員は「人口が減少し、高齢化も進んでいる。公共機関として少しでも地域の役に立てれば」と話し、山名町長は「快く引き受けていただいてありがたい。高齢者の外出機会が増えることにつながる」と喜んでいた。

