写真=松本町長に校旗を返納する松下さん

 今年度で廃校となる日高町の比井小学校(三原章宏校長)で28日、閉校式が行われ、児童や保護者、地域住民ら約140人が思い出の学び舎に別れを告げた。同校は児童数減少のため、来年度から近くの志賀小学校と統合。1874年(明治7)の開校以来、147年の歴史に幕を下ろした。式では校旗が町に返納され、最後の校歌が流れた。

 1952年(昭和27)12月には火災で校舎が焼失、その後の記録に残る卒業生は1259人。児童数は59年度のピーク時には259人をかぞえたが、今年度は32人に減少した。 

 式には今年度の卒業生を含めて児童32人が出席。地域住民、保護者らも参加した。松本秀司町長が「4月から志賀小学校に通うことになるが、友達と仲良く元気に頑張ってください。これまでの歴史や伝統は絶えることなく、これからも児童たちの中に受け継がれます」と式辞。三原校長は「児童が一つの家族のように支え合い、助け合い、教え合った。子どもの頑張りや成長を支えてくれたのは保護者や地域の皆さんで、たくさんのご支援をいただいた」とあいさつした。

 スライド「比井小学校の1年間」が上映され、遠足、運動会等の行事が紹介され、最後に「私たちを育ててくれた比井小学校。今までありがとう。そして、さようなら」というメッセージで締めくくった。松下瑞歩さん(5年)が松本町長に校旗を手渡して返納した。

 学校が廃校となることに対し、5年生の岩下結さんは「比井小ソーランを踊ったことが楽しかった。志賀小へ通うことに不安もありますが、新しい学校でも頑張ります」、同校卒業生で地元に住む漁業者の岡本章さん(70)は「小学校に通っていた当時は、1学年で50人ぐらいの児童数だったように思う。たくさんの思い出があり、小学校がなくなることは寂しい」と話していた。