印南町は町内にある熊野古道の中山、斑鳩、切目、叶の4王子のオリジナルキャラクターをそれぞれ考案し、4種類の王子カードを作成。近く、現地を訪れた写真などを提示すれば、役場企画産業課でもらえるようになる。

 同町内ではすでに県が切目川ダムカードを発行し、町もJR印南駅カードを発行。興味のない人からすれば何とも思わないかもしれないが、世の中にはいろんなコレクターがおり、カード欲しさに全国から町にやって来るという。今回、町が作成したオリジナルカードはかなり力が入っており、業者やプロのイラストレーターに依頼して、4王子にちなんだかわいく個性的なキャラクターを考案。これがなかなかの出来栄えで、大ヒットアニメ・映画の「鬼滅の刃」にでも登場しそうなイメージだ。

 中山王子(島田)は女神の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)にちなむデザイン。斑鳩王子(印南)は「富の王子」とも呼ばれ、勤勉な聖徳太子のようなイメージ。特に高い格式を持つ切目王子(西ノ地)は、片足がない神の物語があり、腰に手を当てて真っすぐ前を見据えるりりしいキャラクターを考案。かつて津井の浜沿いにあり、現在の場所に移転された叶王子(印南)のキャラクターは、モリを肩に掲げた勇ましい風貌。

 これだけ立派なキャラクターに仕上がっているので、カードの活用だけではもったいない気がする。担当課でも話していたが、等身大パネルを作ったり、オリジナルストーリーを考案してCGアニメや紙芝居を制作したりするのもいいかもしれない。4キャラクターにはカードから飛び出しての活躍にも期待したい。(吉)