県立医科大学とアステラス製薬株式会社(本社・東京)、同志社大学(京都)の3者が26日、ビッグデータを活用した創薬イノベーション(技術革新)研究を開始すると発表した。診療記録情報などを基にした統計学やAI(人工知能)を活用し、新薬の創出を促進させるほか、患者ごとの治療を最適化する医療システムの構築を目指す。

 研究には診療記録や臨床試験など大量の情報をデータ化したリアルワールドデータ(ビッグデータ)などを活用する。

 テーマは「戦略的意思決定シミュレーション」と「治療効果の推定」の2つ。「戦略的意思決定シミュレーション」は同志社大とアステラス製薬が担当。医薬品の研究開発には対象患者の選択や臨床試験デザインなど多くの重要な選択が必要となるが、データに基づいた統計モデル・シミュレーション技術を使って選択の長所と短所を評価し、創薬の加速や最適化につなげる。

 「治療効果の推定」は県立医科大学とアステラス製薬が行う。患者ごとの状態に合わせて医薬品の効果を推測する統計的な手法を開発するという内容。データに基づいて個々の患者に適切な医薬品を提供するシステムの構築で、治療効果の向上と医療コストの削減を目指す。

 同日、県立医科大学で会見が行われ、同大学大学院医学研究科医療データサイエンス学教室の下川敏雄教授、同志社大学文化情報学部の宿久洋教授、アステラス製薬株式会社アドバンストインフォマティクス&アナリティクス機能の伊藤雅憲次長の3人が出席。スライドを使って研究内容を説明し、「これらの研究を統合的に進めていくことによって医薬品を効果的に治療に使用できるようになる」などと述べた。