写真=次々と選果機を流れる木成りはっさく

 由良町里のJA紀州ゆら柑橘撰果場で、高品質高単価を誇るハッサク「木成りはっさく」の出荷作業がピークを迎えている。

 JA日高営農センターの向井宏幸副センター長によると、今年は台風の影響もなく雨が少なかったことから、例年平均10・9度の糖度が11・5度と高く、ほどよい酸味も感じる抜群の味わいに仕上がっているという。花が多く咲き、11月下旬から12月にかけての高温で玉の成長が鈍ったため、全体的には小玉傾向だが、出荷量は例年並みの約400㌧を見込んでいる。

 木成りはっさくは、通常12月中に収穫を済ませるハッサクを木にならせたまま年を越し、1月下旬ごろに収穫、3月まで貯蔵。和歌山県はハッサクの出荷量が全国1位で、中でも由良、日高町の生産者から持ち込まれる同撰果場のハッサクは高品質で、1㌔平均250円ほどの高値がついている(他産地では1㌔200円程度)。

 それでも、他のフルーツやむきやすい柑橘に人気は押され気味。おいしさを伝えられる試食販売が新型コロナ対策でできないため、生産者のリレー紹介やむき方、食べ方の動画の作成、プロモーション動画コンテストなどを実施してPRしている。

 出荷は今月末まで続き、4月からは完熟で収穫する「さつきはっさく」が東京都や大阪府などの市場に送られる。

 向井さんは「今年は特においしいハッサクができました。このあとも、セミノールや甘夏など高品質な柑橘が出てきますので、ぜひ食べてみてください」と話している。