県立医科大外科学第二講座が進めている膵(すい)臓がんに対する樹状細胞ワクチン開発の医師主導治験について、同講座の山上裕機教授(附属病院長)を中心とする研究チームは8日、治験参加医療機関が3つ増え、全国の15医療機関16診療科になったと発表した。

 樹状細胞ワクチンとは、患者のリンパ球のみを採取する成分献血により、がんを攻撃するT細胞(CTL)を活性化させる樹状細胞を体外で熟成させ、それにがんの目印となるがん抗原(ペプチド)を取り込ませた細胞。これをわきの下などの皮膚に注射することでCTLが活性化し、がん細胞のみを狙って効率的に攻撃する。

 研究チームは、標準療法では対応できない進行性膵臓がん患者を対象に、2017年3月から国内初の樹状細胞免疫療法の医師主導治験を実施。18年12月以降は全国11の医療機関(12診療科)で治験を実施、共同研究を進め、その後、参加医療機関を増やしながらワクチンの有効性を検討している。

 今回加わったのは東北地方の弘前大学医学部附属病院消化器外科(青森県)、関東地方の横浜市立大学附属病院消化器・肝移植外科(神奈川県)、近畿地方の関西医科大学附属病院胆膵外科(枚方市)。

 和歌山県立医科大外科学第二講座の勝田将裕准教授は、「新たに加わった弘前大学附属病院は東北地方で初めて、さらに横浜市立大学附属病院も関東では3機関目となり、それぞれの地方で患者さんにとってのメリットとなるだろう」と話している。