写真=窯の前でオンライン授業する原さん

 中高生や大学生が世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を学ぶ「世界農業遺産オンラインカフェ」が6日開かれ、紀州備長炭生産者で県木炭共同組合の原正昭組合長(50)が紀州備長炭の歴史や魅力、受け継がれている伝統的な窯入れ技術を講義した。

 みなべ町の魅力を伝える「まちキャンパスプロジェクト」(上野章チームリーダー)と和歌山大学観光学部がコラボした企画。全6回の講義で梅システムについて学んでおり、今回は4回目。

 今回のテーマは世界農業遺産を支える3つの産業の柱の一つ、備長炭(林業)。原さんは備長炭のような白炭の製造技術は約1300年前に遣唐使の一人だった弘法大師が中国から技術を持ち帰ったことや、元禄時代に田辺市の廻船問屋だった備中屋長左衛門が統一した名前として「備長炭」としたことを分かりやすく説明。紀州備長炭の約9割を占めるウバメガシの原木や葉などを示しながら実際の窯入れの技術として受け継がれている「はね木」を紹介。「窯出しするときは窯の温度は約1300度。出し終わってから1~2時間後、まだ窯の温度が500度ほどあるうちに次に焼く原木を窯に入れることで、余熱を利用して原木に残る水分がむらなく乾燥し、いい品質になる。どれだけ修行しても、500度の窯の中に人は入れません。そこで原木を転がすための円柱の木と、窯の中で原木を立てるための棒を使います。それが『はね木』と呼ばれる技術です」と説明し、実演した。

 講義を受けた学生たちからは「ウバメガシの品種改良はしていますか」「炭焼き職人はなぜIターン者が多いのですか」など活発な質問が出され、一つひとつ丁寧に答えていた。