地域の救急医療、産科医療の確保、推進に貢献した個人、団体の功績をたたえる2020年度救急医療・産科医療功労者厚生労働大臣表彰の受賞者が決まり、救急医療功労者で一般社団法人日高医師会(中島彰一会長)が選ばれた。地域における救急医療の確保、救急医療体制の整備推進に貢献。表彰式は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から開催されない。

 救急医療功労者は長年にわたり地域の救急医療の確保、救急医療対策の推進に貢献した功績、産科医療功労者は長年にわたり地域のお産を支え、産科医療の推進に貢献した功績をたたえ、それぞれ厚生労働大臣が表彰。今年度は全国で救急医療功労者が個人23人と15団体、産科医療功労者は個人38人と4団体が選ばれ、県内からは救急医療功労者で日高医師会、産科医療功労者で医療法人アイ・ウィルこうざき産婦人科理事長の神前禎宏氏(59)=和歌山市=が表彰される。

 1948年3月9日設立、日高地方の医師が入会している日高医師会は1994年6月から御坊広域休日急患診療所で休日の救急医療に従事し、初期救急医療の確保に尽力。その後、地域住民のニーズに基づき地域の中核自治体病院で、2008年2月から小児科医による病診連携急患診療室を土曜の時間外に開設した。09年4月には小児科医以外も加わり、病院連携休日急患診療室を新設。病診連携による土日を含めた休日の初期救急から入院まで切れ目ない救急医療体制整備に取り組んできたほか、救急医療週間における積極的な啓発活動や「子どもの救急ガイドブック」の編集に携わっている。

 中島会長は「日高医師会として地域の救急医療に尽くすことは当然でありますのに、このような名誉ある表彰をいただき誠に光栄です。これまで救急医療にご尽力された諸先輩すべての先生方や関係機関のご協力のおかげだと心より感謝します。今後とも地域の救急医療に全力で取り組んでいきたい」と話している。