県市町村対抗ジュニア駅伝が21日、和歌山市で開催された。今年も海南、和歌山、田辺の3強の壁は厚く、日高地方勢の3位以内はならなかったが、御坊市が堂々の6位で8年連続の入賞(8位以内)、日高町が市町村新記録賞、個人でも5年連続登録競技者4人、区間賞(3位以内)に4人が入賞するなど活躍が目立った。今年は新型コロナ禍での開催で、選手だけでなく各市町のチームスタッフは例年以上に気を揉まれたことだろう。無事開催できたことがまず喜ばしいが、何より頑張ってきた成果を披露する場を与えてもらった選手たちにとって大きな力となった。

 大会は一日で終わるが、多くの市町は12月にはチームを結成し、約3カ月にわたって選ばれし小中学生男女が合同練習を行う。この期間にこそジュニア駅伝の大きな意義がある。チームメイトといえど少ない出走権を争うライバルであり、互いに競い切磋琢磨するからこそ力をつけることができる。練習を頑張りすぎてけがをしてしまった選手もいるだろう。頑張った末にレギュラーを勝ち取った人もいる。喜びや悔しさ、自分の成長に欠かすことのできない感情を経験できる貴重な時間である。そして互いの研さんの上にチームが一丸となれるのだと思う。

 ジュニア駅伝のもう一ついいと思う点は、陸上を始めるきっかけになっていること。これまでの取材でも、ジュニア駅伝がきっかけで本格的に陸上に取り組むようになった選手がたくさんいた。校内マラソン大会でいいタイムを出してメンバーに入り、素質が開花した選手も多い。ジュニア駅伝が果たしている役割は大きい。これからも継続していく意義は大いにあると思っている。(片)