写真=休憩所で笑顔をみせる寺田さん

 和歌山市神前の訪問看護ステーションメンタルナース(株式会社メディフェア運営)は先月、御坊・日高圏域などでもサービスを提供しようと、御坊市湯川町財部に拠点となる事務所(休憩所)を開設した。精神疾患に特化した訪問看護を行っており、ひだか病院精神科病棟での勤務経験がある看護師の寺田耕也さん(43)=美浜町和田=が専属で、利用者の日常生活をサポートする。

 精神疾患になった人は退院後も外出したいが難しい、薬の管理ができないなど、アフターフォローが必要なケースがある。訪問看護ステーションメンタルナースでは看護師や作業療法士、精神保健福祉士らが従事しており、和歌山市内を中心に精神疾患の利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるよう支援。具体的には利用者の体調や薬の管理、症状の相談などを行っている。

 和歌山市出身の寺田さんは、看護師として働き始めた最初の現場が精神病院だった。その後、他の病院でも精神科に従事、7年前にはひだか病院に就職し、精神科病棟に配属。日高看護専門学校で精神科看護の講師や実習指導も行い、昨年12月末、ひだか病院を退職した。

 今回、精神科での医療従事通算25年という経験を生かし、メンタルナースに再就職。精神疾患に特化した訪問看護はあまり普及しておらず、寺田さんがメンタルナースの代表に相談したところ理解を得て、御坊・日高圏域を中心とした紀中・紀南エリアでの精神疾患訪問看護に従事することになった。「御坊・日高では看護師として大きく成長させていただきました。そんなお世話になった地で、恩返しがしたいという思いがありました。いままで培った経験を生かし、皆さまの地域での生活を支えていけるまちづくりに貢献します」と張り切っている。

 将来的にはスタッフを増やしてステーション化も見据えている。問い合わせは℡080―2475―6708。