写真=商品となった美容液「AKKYURA」

 紀州日高漁業協同組合(松村徳夫代表理事組合長)は近畿大学(東大阪市)と共同で、美容成分のフコダインを多く含む海藻「アカモク」を使用した美容液「AKKYURA(アキュラ)」を開発。今月1日から販売を開始した。

 アカモクは春に海岸の浅瀬で成長する海藻。長いものは10㍍近くになり、船のスクリューに巻き付くこともあって厄介者扱いされてきたが、健康や美容に効果がある成分のフコダインが多く含まれていることが判明。4年前からは由良町で採取されたアカモクを使った食用「紀州あかもく」が商品化されている。 

 美容液の研究は3年前からスタート。きっかけは、紀州あかもくの加工に携わっている漁協職員の手がツルツルと潤っていたことだった。近畿大学薬学部の多賀淳教授(53)が中心となって商品開発に取り組み、アカモクから高分子のフコダインを取り出し、無臭化させる精製方法を確立。水溶性食物繊維で優れた保水性を有する美容成分を生かし、化粧品に利用するための原料化に成功した。開発には薬学部の学生も参加。保湿性が高いのが特徴で、商品名の「AKKYURA」はアカモク(AKAMOKU)の頭文字と産地の由良町の「YURA」をつないで名づけられた。地元の漁師と大学が連携して開発・販売し、漁協関係者だけでなく地域全体が潤うような地域内循環が可能な仕組みづくりを目指した商品となっている。

 価格は50㌘入りで4950円(税込み)。紀州日高漁業協同組合(御坊市塩屋町)、道の駅「白崎海洋公園」(由良町大引)で販売されているほか、商品サイト(https://akkyura.com)で購入できる。地元の組合員も販売に参加し、売り上げの一部は組合を通じて海域保全にも充てられるという。問い合わせは紀州日高漁協℡0738220451。