写真=ふれあいセンターの花壇で咲き始めたキンセンカ

 美浜町の日ノ御埼沖で日本人遭難者を助けようとして亡くなった海の勇者、デンマーク人のヨハネス・クヌッセン機関長の命日(2月10日)を前に、日高町ボランティア協議会が昨年11月、町内の公共施設の花壇に植えたキンセンカが咲き始めた。

 キンセンカはクヌッセン機関長が好きだったという花。2007年の没後50周年記念で前町長の故中善夫氏らが同国を訪ねた際、生まれ故郷のフレデリクスハウンの市長から友情の印としてキンセンカの種を譲り受けた。協議会などが栽培し、咲き終わったあとに種を採取しながら毎年きれいな花を咲かせている。昨年もふれあいセンター、小中学校、中央公民館などに植えていた。

 ふれあいセンターの駐車場にある花壇でもちらほらとオレンジや黄色の花が開花し、施設利用者らの目を引いている。3月末ごろまで楽しめる。

 クヌッセン機関長は1957年2月10日、火災を起こした日本の木材運搬船を発見し、海に落ちた日本人船長を助けるために飛び込んだところ、荒波にのまれて亡くなった。機関長の遺体と救命艇が流れ着いた日高町の田杭地内には供養塔が建てられ、毎年命日には美浜町の日ノ岬パーク内クヌッセンの丘で慰霊献花の集いが行われている。