日本遺産に認定されている和歌山、大阪、奈良の境にそびえる峰々で行われている葛城修験を広くアピールしようと、2月6日午後1時半から、和歌山市の県民文化会館で日本遺産認定記念シンポジウム「葛城修験―里人とともに守り伝える修験道はじまりの地」を開く。

 修験道の開祖と言われる役行者(えんのぎょうじゃ)が初めて修行を積んだ地で、世界遺産の吉野・大峯と並ぶ「修験の二大聖地」と称されている。役行者が法華経を1品ずつ埋納したという28の経塚があり、今も修験者たちは、その経塚や縁の寺社、滝や巨石を巡っている。

 シンポジウムの主催は葛城修験日本遺産活用推進協議会(和歌山県観光振興課内)。価値や魅力を広く情報発信し、地域に残されている文化や文化財の保存・活用に向けた機運を醸成することが目的。

 本山修験宗管長で、聖護院門跡門主の宮城泰年氏が「現代に受け継がれる修験道の奥深さ」と題する基調講演を行う。パネルディスカッションでは「加太・友ヶ島と和泉山脈の葛城二十八宿」をテーマに、和歌山大学教育学部の大橋直義准教授、和歌山市立博物館の小橋勇介学芸員、加太浦大護摩供顕彰会の藤井保夫会長のパネリスト3人が意見を交わす。

 2月13日午後1時からは奈良県北葛城郡王寺町久度の王寺町地域交流センター(奈良会場)、同月27日午後1時からは大阪府泉佐野市市場東のエブノ泉の森ホール(大阪会場)でも開催する。参加は無料で事前申込制。問い合わせはフリーダイヤル℡0120―189―222。