全国的に新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、県でも7日、過去最多となる男女21人の感染を新たに確認したと発表された。最多更新は3日連続で、帰省や県外への往来による家族内感染が広がっている。御坊保健所管内では日高振興局建設部の40代男性職員の陽性が判明、県庁知事部局では初の感染となった。

 感染者の地域別内訳は和歌山市内10人、海南保健所管内2人、岩出保健所管内5人、橋本保健所管内1人、御坊保健所管内1人、県外2人。

 日高振興局建設部の40代男性職員は先月25日から28日まで、就職が決まった別居家族の家探しのため神奈川県内を訪れ、別居家族宅で宿泊や飲食をともにしていた。県の調査によると、別居家族の友人に感染者がいたことが分かっている。この男性は今月4・5日に出勤。5日夕方から咳、咽頭痛、頭痛などの症状があり、37・9度の発熱があった6日から休暇を取るとともに、医療機関を受診。抗原検査が陽性となったため検体採取したところ、7日にコロナ陽性が判明した。現在、医療機関に入院しており、病状は安定している。4、5日に出勤した時には執務室から現場に出ており、県民と接する業務はしていない。すでに執務室と共用部分は消毒済みで、同僚5人らの検査を進めている。日高振興局の中村一人局長は「県民の皆さまが対策を徹底している中で、職員から感染者が出たのは残念。他の職員には感染予防のさらなる徹底を呼びかけた」と話している。

 ほか5日に感染が発表された和歌山市内の20代アルバイト男性の濃厚接触者として同居家族や大阪府から帰省した別居家族ら4人の陽性が判明。また、すでに感染が確認されている大阪府の医療機関に勤務する岩出保健所管内在住の50代女性看護師関連でも同居や別居家族ら4人が陽性。大阪府の実家に行った和歌山市内の40代男性会社員や兵庫県と東京都から別居家族が帰省していた同じく和歌山市内の40代男性会社員、東京や大阪から来県した人と接触のあった橋本保健所管内の40代宗教関係男性らの感染も確認。新宮保健所管内の40代男性会社員は東京の感染者数にカウントされており、県内感染者数累計は717人、入院中は106人となっている。

 県は帰省や県外への往来による家族感染が広がっていることや、和歌山市内での感染が急増している状況に危機感を募らせている。