今年10月にオープンした湯浅町のJR湯浅駅と一体化した複合施設「湯浅えき蔵」で来年1月末まで、ポール・マッカートニーがビートルズ時代にレコーディングで使用したピアノが展示されている。27日には予約者の特別試奏が行われ、展示場所の図書館エントランスに美しい音が響いた。

 ピアノは世界三大メーカーの一つ、ドイツのベヒシュタイン製の六本足のグランドピアノ。製造されたのは1900年代初頭で、60年代にポールが個人的に購入、作曲に使用し、その後、アビーロードスタジオ、アップルスタジオに設置され、ポールやジョン・レノンがビートルズ後期のほとんどの楽曲のレコーディングに使用していたという。

 今回は町教育委員会の企画で、施設内に新たにオープンした図書館を知ってもらうことも目的に展示。27日には和歌山市のピアノ講師で南葵ボランティアのメンバーでもある蟹井貴代さんが娘の理央さん(21)とともに試奏し、チャイコフスキーの「花のワルツ」などの連弾を披露した。

 貴代さんはジョン・レノンの代表曲「ハッピークリスマス」も弾き、演奏後は「あのビートルズが使っていたピアノということで少し緊張しましたが、このような機会は二度とないでしょうし、100年前の音に感動しました」と喜びいっぱい。理佳さんも「ビートルズはあまり知らなかったのですが、これを機に好きになるような気がします」と笑顔で話していた。

 ピアノは1月末までの期間中、平日は午前9時半から午後7時まで、土日・祝日は午前9時半から午後5時まで展示(29日から1月3日は閉館)している。特別試奏は土日・祝日の正午から午後1時まで。休館日の1月29日は午前9時半から午後5時まで。予約は湯浅町ホームページ(新着イベント情報)の予約サイトから。

写真=湯浅えき蔵2階の図書館に展示されているビートルズゆかりのピアノ