ブランド鶏肉を育てていた有田養鶏農業協同組合(有田川町)が経営難に陥り、日高川町内の施設に鶏の死骸やふんが放置された問題で、日高広域消防本部は18日、大規模な火災の危険がある初湯川・猪谷地区の同組合鶏ふん置き場で放水を行った。

 場所は死骸が放置された弥谷、猪谷2カ所の鶏舎とは別で、猪谷川水辺公園から猪谷川を上ったところにある広さ約1200平方㍍の倉庫。同消防によると、山積みの鶏ふんは内部で蓄えられた発酵熱によって自然発火する恐れがあり、7月31日に倉庫の板張りや電気配線、近くの廃材を焼く火災が発生。鎮圧したが、鶏ふん内部の火種は完全に消し止められておらず、くすぶっている状態が続いている。

 火災発生時点での鶏ふんの量は約3000立方㍍とみられ、地元住民からの苦情や心配に加え、近くの山林へ飛び火する危険があるため県や町と協議。10月15日に続いて2回目で、今回はポンプ車による高圧放水で、鶏ふんの山を崩しながら水をかけた。

 職員14人と車両6台が出て、猪谷川から取水。猪谷川に汚水が流れ出ないよう堤を設置し、職員はマスク越しでも鼻をつく悪臭が漂うなか、約300㌧を放水した。浅間拡文予防課長によると、山積みの高さを低くすることで、発熱を抑制。この日の放水で、最も高いところで4㍍ほど積まれていた鶏ふんを3㍍、全体の約8割を2㍍以下にした。

写真=山積みの鶏ふんに向けて高圧放水する職員