県森林組合連合会と農林中央金庫大阪支店が紀州材を活用した本を運ぶカートを製作し、27日、日高川町美山地区の3つの小学校に寄贈した。同日、同校で3校の校長、川原河の全児童、連合会と農林中央金庫の関係者らが出席して贈呈式が行われ、各学校と町に合わせて20台のカートをプレゼント。子どもたちは感謝を込めて群読と歌を披露し、心温まるひとときとなった。

 農林中央金庫は農林水産業発展への寄与、環境・社会への貢献などをCSR(企業の社会的責任)の基本とし、和歌山の基幹産業の林業発展、過疎化が進む地域の活性化、学校教育支援など同じ考えを持つ県森林組合連合会、日高地方の木材産業関係者らと連携。以前から子どもと本をつなぐ活動に取り組んでいる小さな山の本屋「イハラ・ハートショップ」(初湯川)の井原万見子店長が各小学校のニーズを聞き取り、美山地区の川原河、笠松、寒川第一の3小学校に紀州材のスギで作った本運搬用カート「ブックトレーラミニ」を贈ることにした。

 贈呈式は川原河小で行われ、県森林組合連合会の眞砂佳明会長、農林中央金庫大阪支店の稲毛学部長、川原河小の原里枝校長、笠松小の楠本勝洋校長、寒川第一小の山本広美校長ほか、ブックトレーラミニの加工・組み立てを行った丸紀木材工業㈱(御坊市)の山田誠一代表取締役会長、設計を担当した小瀬工務店(同)の小瀬晴雄代表、原材料のスギの木を提供した井原木材産業(日高川町)の井原史朗代表、イハラ・ハートショップの井原店長らが出席。川原河小の全校児童14人も参加し、森林組合連合会の眞砂会長は「このブックトレーラを長く大事に使って、木にたくさん触れ、ぬくもりを感じてください」、農林中金の稲毛部長は「木はまちや人を豊かにしてくれます。このブックトレーラで本を運び、たくさんの本を読んで、いろんなことを知ってください」と語りかけた。

 ブックトレーラは3校に6台ずつ、町にもPR用として2台寄贈。連合会と農林中金には各学校から感謝状が贈られ、最後は子どもたちが「私たちのためにこんな素敵なブックトレーラを作っていただき、ありがとうございます」とお礼を述べ、群読「はじめてことりがとんだとき」と歌の「ありがとうの花」を披露した。

写真=カートを贈られ笑顔の川原河小の児童と県森連、農林中金の関係者ら