長年にわたって人権擁護活動に力を尽くした人権擁護委員をたたえる法務大臣表彰があり、御坊人権擁護委員協議会の宇藤勝会長(71)=御坊市名田町楠井=への伝達が12日、和歌山地方法務局御坊支局で行われた。宇藤さんは2010年4月の委嘱から10年以上にわたり自由人権思想の普及高揚に尽力。相談や教室で地域社会に密着した人権啓発活動に取り組んでいる。

 法務大臣委嘱の人権擁護委員は、国民の基本的人権が侵犯されることのないよう配慮し、侵犯された場合は救済のため速やかに適切な措置をとるとともに、常に人権尊重思想の普及高揚に努めることを使命とし、地域に密着した活動を行っている。法務大臣表彰は10月26日付。全国で200人、県内では宇藤さんを含めて5人が受けた。

 宇藤さんは所属する御坊人権擁護委員協議会の常設、特設相談所で、相談に訪れた地域住民に寄り添い、適切にアドバイス。人権擁護委員の日(6月1日)をはじめ、各地での啓発活動や小中学校での人権教育に積極的に取り組み、地域住民への人権尊重思想の普及に寄与している。

 同協議会では12年から常務委員、18年から会長。県連合会でも18年から副会長を務めており、委員組織の円滑な運営にも貢献している。人権相談では、もっと身近で相談しやすい環境づくりに努めており、「相談してよかった」という言葉が一番うれしいという。人権教育では子どものころから高い人権尊重の意識を持ってもらおうと、特に相手の気持ちや立場で考える大切さを伝えている。

 伝達式では山本洋一支局長が表彰状を手渡し、「協議会の先頭に立って活動に取り組んでいただき、ありがとうございます。これからも活躍していただけるよう、よろしくお願いします」。宇藤さんは「先輩の委員さんらの指導があって、今の協議会の委員さんらに助けられ、多くの方に感謝したい。時代とともに、また、コロナ禍で人権の問題が増えるなか、これを機に、より一層しっかり相談や啓発を進めていきたい」と笑顔を見せた。

写真=表彰状の伝達を受ける宇藤さん