巨大地震による津波の浸水が想定されるみなべ町の愛之園保育園、南部幼稚園、南部保育所の3園を統合し、南道の高台に移転・新設する「みなべ愛之園こども園」の起工式が7日、生涯学習センターで行われた。

 キリスト教式で行われ、枚方くずは教会の平田義牧師が司式者を務め、出席者で賛美歌をうたい、聖書の朗読が行われた。時計に見立てた砂の土台に愛之園保育園の神谷羊子園長や小谷芳正町長が玉石を円形に並べ、工事の無事完成を祈った。

 社会福祉法人イエス団の高田裕之常務理事は「長年の願いだった高台移転が動き出したことは町関係者の努力のたまもの。みなべ町の皆さまと一緒に新しい地域の活動を進めていきたい」とあいさつ。小谷町長は「いつやってくるか分からない津波に備え、一日も早く無事完成することを願っている」と祝辞を述べ、神谷園長は関係者に礼を述べ、「施設が完成するまで、中身が伴うよう一層の準備をしていきたい」と述べた。

 移転場所は防災拠点エリア。園舎は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積約2347平方㍍、園庭は約2100平方㍍の広さを確保する。工期は来年9月末までで、2022年4月開園を目指す。運営は1928年から保育園を営むなど実績がある愛之園保育園が行う。

写真=キリスト教式に玉石を置く神谷園長