風邪をひきやすく、肺炎の経験もある筆者は、コロナが流行する以前から、マスク着用や手指の消毒を徹底し、不特定多数の人が触るものにも注意している。潔癖症ではないが、細菌やウイルスに敏感なだけ。そんな感染予防策の一つにうがいがあるが、いまそのうがい薬がドラッグ店で売り切れとなっている。

 またかい…とうんざりする。コロナが流行して以来、マスク、消毒液、しまいにはトイレットペーパーや納豆まで売り切れ。今回のうがい薬売り切れの原因はずばり吉村洋文大阪府知事。今月4日の会見でポピドンヨードの成分が入ったイソジンなどのうがい薬が、コロナ予防に効くという趣旨の発表をしたからである。

 吉村知事と言えば、いつも歯に衣着せぬ物言いで、コロナ対策でも国にずばっと意見し、独自の大阪モデルで感染拡大を防ぐなど、強いリーダーシップの手腕を評価する人も多い。ちなみに、うがい薬の研究で判明したのは「1日4回、ポビドンヨードでうがいすると、唾液中のコロナウイルスが減少した」というもの。しかし、完全にウイルスを排除できるわけではなく、これがコロナ予防にどこまでつながるかどうかは別の話。そんな段階でも、吉村知事がうがい薬をずらりと並べてあんな会見をすれば、売り切れ続出となることは想像に難くない。新しい情報を教えてくれたのはありがたいが、転売目的のまとめ買いがすでに出ており、ネット通販では高値で売っているところも。医療機関でも手に入らない事態になっているという。もっと消費者は冷静になるべきだが、コロナ禍でなかなかそうもいかない。トップの発言の重さをあらためて感じる。(吉)