4月の由良町長選で初当選し、先月就任した山名実町長は22日、同日開会した議会で初めての所信表明を行った。「住民との対話を重視し、住民の奉仕者として意見や提言を聞き入れながらまちづくりを進める」ことを基本とし、選挙期間中からスローガンとしていた「希望のあるまち」に向けて取り組むことをあらためて強調。安定した雇用の確保など4つの基本目標を挙げた。

 冒頭、4月26日に執行された選挙戦に触れながら「(当選は)身に余る光栄であり、重責を担っていく覚悟。これまでの経験を生かして全力で奉公させていただく」と述べた。

 「希望のあるまち」については▽若者が集う実りあるまちづくり▽子育て世代にやさしい実りあるまちづくり▽高齢者にやさしい実りあるまちづくり――の3つを掲げた。

 政策としては「まずは新型コロナウイルスの影響を受けた方への支援」とし、国の地方創生臨時交付金を活用した町独自の施策を説明。

 このほか、「安定した雇用を確保」「新しいひとの流れをつくる」「結婚、出産、子育ての希望をかなえる」「住みやすいまちをつくる」の4つの基本目標を掲げた。

 「安定した雇用の確保」では、新規就農支援や鳥獣害対策などを推進。ふるさと納税についてもインターネットサイトを活用して積極的に進め、「返礼品に町内の特産物などを取り入れ、農業、漁業、商工業の所得向上を目指す」と述べた。

 「新しいひとの流れをつくる」では由良町の魅力をPRし、観光客の増加を図る。自然や暮らしにも触れてもらい、移住や定住による人口増につなげる。「結婚、出産、子育ての希望をかなえる」では今までの支援施策のほか、電車通学する高校生に通学定期券の助成制度を新たに設けることを説明した。「住みやすいまちをつくる」では道路整備、下水道の早期完成、福祉タクシー券の対象者範囲の拡大などを挙げた。

 最後に「人口減少と高齢化の進行、地域経済の活力の低下等と地方財政を取り巻く環境は依然として厳しく、限られた財源で最大の効果を上げることが必要。職員と一致団結して町政の発展に努力する」と述べた。

写真=所信表明を行う山名町長