新型コロナウイルスの影響で海開きをしない海水浴場が相次ぐ中、日高町の産湯海水浴場は7月11日から開設することが決まった。期間は8月23日までの44日間。運営する日高町地域振興株式会社の役員会が19日開かれ、感染防止として3密を避ける対策などを検討。海水浴場の開設は地域経済の活性化にも期待されている。

 駐車場や海の家などの施設の管理は町で、地域振興会社が運営。役員会では今シーズンの運営方法などを協議した。コロナ対策として更衣室とシャワー室は使わず、自家用車や宿泊施設で着替えるように勧めることを決めた。シャワーについては屋外に簡易なシャワーを設置することを検討。例年、期間中に催されている宝探しなどのイベントは中止し、海開きの式典も出席者人数を縮小して行う。

 このほか、感染者が発生した場合に備え、感染ルートを特定しやすくするために代表者の名前を記載してもらうことなども検討している。

 県内の海水浴場22カ所の状況をみると、田辺市の田辺扇ケ浜海水浴場、すさみ町のすさみ海水浴場など8カ所は「海水浴客が3密状態になる可能性がある」などとして開設しないことを決定。逆に開設となるのは産湯海水浴場を含む5カ所。白浜町の白良浜海水浴場は7月23日に海開きし、8月31日まで40日間の開設とする。残りの9カ所については20日時点で、海開きをするかどうか最終的な決定には至っていない。

 産湯海水浴場は1967年にオープン。浜辺は約1㌔にわたり、白砂で遠浅。きれいな海水が人気で、毎年、京阪神などから大勢の家族連れらが訪れる。昨年は長梅雨や台風の影響で例年よりも少ない人出となったが、2万人近くが訪れた。

写真=関西屈指の美しさを誇り、毎年多くの人でにぎわう産湯海水浴場(昨年)