NTT東日本、西日本が、50音別で個人宅などの連絡先を載せた電話帳「ハローページ」の発行を2023年2月までに終えると発表した。

 ハローページの歴史は古く、始まりとなった「電話加入者人名表」を電話サービスが開始された1890年に発行。当時は冊子ではなく1枚紙に、個人宅と企業の電話番号が230件ほど載っていたという。その後、個人版と企業版に分かれ、個人版は1983年から「ハローページ」として発行された。ピークだった05年の発行部数は6500万部あったが、今年は120万部まで減少。NTTは、発行、配布終了の理由として、「携帯電話やインターネット等、固定電話の代替手段の普及、通話アプリやSNS等のコミュニケーション手段の多様化、個人情報保護に関する社会的意識の高まり等の環境変化により配布数・掲載数が大きく減少したこと」としている。

 増え続ける携帯電話加入契約数に対し、固定電話は毎年減り続け、その件数が逆転したのもはるか20年前で、2018年の20代世帯固定電話保有割合はわずか7・6%という。確かに携帯電話があれば特に不自由はなく、固定電話の有無が昔のように社会的信用に関わることもほとんどない。逆に、固定電話が特殊詐欺に悪用されることが多いこともハローページへの番号掲載をやめる人が増加した要因の一つになっている。

 個人情報保護の意識が高まり、法律も制定されたが、それはやはり情報流出などで悪用する人から守るため。本紙は慶弔欄などハローページ同様、個人情報が掲載されている。このような新聞が発行できる地域の平和さがありがたくもあり、守るべき情報を扱う側として気を引き締めなければならないと改めて感じている。(陽)