御坊日高が舞台の映画「ソワレ」(配給=東京テアトル)の公開日が8月28日に決まった。公開初日の決定を前に、予告編や作品PR映像「特報」の公開も映画館や公式サイトで始まっている。昨年夏に御坊市や日高郡内で撮影が行われ、地元住民もエキストラ出演した待望の一作。応援する御坊日高映画プロジェクト実行委員会にも、新しいPRチラシが届き、期待が一層膨らんでいる。

 ソワレは、俳優で演出家の豊原功補さんや歌手で女優の小泉今日子さんらが設立した新世界合同会社の第1回プロデュース作品。海外の映画祭で受賞経験のある外山文治さんが監督を務めている。

 物語は役者を目指しながらも生きる意味や夢を見失いかけている青年と高齢者施設で働く女性が出会い、ある事件をきっかけに先の見えない逃避行に出るという切ない恋が描かれ、御坊日高のまちや豊かな自然を背景に進行。主役の岩松翔太役は俳優村上虹郎、ヒロインの山下タカラ役は女優芋生悠が務めている。

 映画制作に向けては御坊日高でのロケをサポートしようと、地元官民が一体となった実行委が発足。昨年7月に撮影が行われ、協賛金は1000万円が集まった。

 公開に向けた準備は着々で、「超特報」に続き、予告編がテアトル系列の映画館や御坊市のジストシネマ御坊で上映されている。特報は公式サイトで視聴可能。チラシも各所で配られ、盛り上がってきている。

 御坊日高実行委の阪本仁志実行委員長によると、御坊や和歌山のジストシネマでも上映があり、地元試写会も開催される予定。一足早くパソコン画面で作品を観たという阪本委員長は、「逃避行する未熟な2人の細かな感情を捉え、繊細に描かれている映画らしい映画。もちろん地元の景色やエキストラの人も出ています。協賛や協力で大勢の方がかかわってくれていますので早く観てもらいたい気持ちでいっぱいです」。公開日が決まったことを受けて「やっと動き出した感じ。コロナで東京での試写会が中止になったり、心配しましたが、公開は予定通りで、ぜひ地元で試写会をやって、早く大きなスクリーンで観てみたい。ますます楽しみです」と笑顔を見せている。

写真=チラシを手に阪本実行委員長