自由律俳句の全国結社「青い地球社」の年間賞が決まり、御坊市塩屋町で活動しているはまゆう吟社から平田キヨヱさん(81)=御坊市熊野=の作品が新風賞を受賞した。本来は今月、長野県諏訪市で開催予定だった全国大会で表彰されるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止。平田さんは選考結果が掲載された機関誌「青い地球」第349号を手に「皆さんのおかげです」と喜んでいる。

 平田さんは1986年に同会に入会。途中休会したこともあったが近年はずっと例会に出ており、2014年には種田山頭火全国俳句大会一般の部で最高賞を獲得した。今回は「染めたい色」と題する15句で、最高賞の青い地球賞に次ぐ新風賞を受賞。花が好きで以前は未生流の生け花教室を開き、現在は押し花教室の講師を務める。表題作の「まだまだ染めたい色があるあかね空」には、傘寿を過ぎてももっと趣味の世界を深め幅広く活動していきたい気持ちを込めた。

 そのほか、趣味のカメラ撮影での作品の中に亡き知人の在りし日を偲んだ「元気な姿カメラの中に探す」、家族を詠んだ「とうもろこしハーモニカみたいと笑う孫」、亡き身内を思う「想い出残したまま欠けた年賀状」、現代社会を詠んだ「映像の向こうへ手を合わす今朝のニュース」「未来へハヤブサ2生命の鍵ひらく」「令和へ寿ぐ竹の子の脱皮」など、日々の思いをつづっている。

 「難しいことは言えないのですが、私なりの言葉で毎日の思いを句にしています。あとから読み返すと自分史のようで、どの句にも愛着があります。大勢の方々のお世話になり、ご指導を頂いてきました。皆さまとのご縁に感謝しながら、今後も力の限り精進していきたいと思います」と意欲的に話している。

写真=作品掲載の「青い地球」を手にする平田さん