任期満了に伴う由良町長選・議員補欠選が21日告示され、注目の町長選にはファイナンシャルプランナーの根来英樹氏(50)=新宮市出身、名古屋市在住=、元議会議員の馬場博文氏(56)=衣奈=、元議会議員の山名実氏(63)=吹井=の新人3人が立候補した。新型コロナウイルスの感染防止対策の3密(密閉、密集、密接)の回避で選挙活動が大きく制限されるなか、5日間の舌戦がスタート。3候補は出陣式や街頭演説で第一声を放った。 (記事は届け出順)

 ヘッドセットマイクと小型スピーカーを身に着け、たった一人で活動する根来候補は中央公民館前で第一声。「新型コロナウイルスの終息が見えない中での選挙となりました。人類の歴史では戦乱、飢餓、感染症の3つが多くの人の命を奪ってきた。しかし人類は困難を乗り越え克服してきた。由良町には克服しなければならないリスクがある。それは人口減少のリスクだ」と主張。「20年前の2000年に生まれた子どもは72人、いまは23人と3分の1にまで減っている。このままでは20年後にはどうなっているのか。町から子どもが消えると活性化は不可能だ」と指摘。「しかし、何もしなければ、この20年間と変わらない町政であればそうなる。この町長選挙を、町をよい方向に変える転換点にしよう」と支持を呼びかけた。

 初日は選挙ポスターを貼りながら町内を一周。以降は徒歩を中心に各地を回って街頭演説を展開するとともに、Twitter(ツイッター)やYouTube(ユーチューブ)などを活用して公約を訴えていく。

 馬場陣営は網代地内の選挙事務所で出陣式を行い、支持者ら約60人(主催者発表)が参加した。後援会の山中孝次会長(65)は「皆さんのおかげで、馬場博文の名前や掲げた5つの公約が浸透してきました。これから本格的な選挙戦になりますが、コロナウイルスに十分注意しながら支持を増やしていこう」と一致団結を呼びかけた。

 馬場候補は「私は生まれ育った由良のまちが大好きです。『ふるさとを豊かに 未来に希望を!』というスローガンで出馬しました。緊急事態宣言が出され自粛ムードですが、JA職員、ボランティア活動、議会議員などあらゆる経験、知恵、知識を使い、町民の声を真摯(しんし)に受け止めながらまちづくりを進めていきます。子どもたちの未来をかなえるのは私しかいないと確信しています。まちの舵取り役を任せてください」と力を込めた。公約には防災や防犯対策、教育や福祉の充実を挙げた。

 最後は後援会の川口拓洋青年部長(45)の音頭でガンバローコールを行い、街宣へと繰り出した。

 山名陣営は網代地内の選挙事務所で出陣式を行い、支持者ら約120人(主催者発表)が集まった。山本卓郎後援会長(63)は「山名実の熱い思い、気持ちを伝えていきたい。熱いご支援、ご協力をお願いします」とあいさつ。元同僚の玉置一郎町議は「山名候補は実直で、皆さんの目線で頑張ります」と人柄をアピールし、支持拡大を呼びかけた。

 自身が町商工会長を務めてきたつながりから、近隣5町の商工会長らも応援に駆けつけるなか、山名候補は「大好きな由良町に生まれ、育った。皆さんが住んでよかった、ずっと住み続けたい町づくりに全身全霊を捧げていく」とあらためて決意表明。「対話が一番重要。皆さんと町政をつくっていきたい。由良町をもっと住みよい町にしていきたい。しがらみのない、きれいな町政をつくっていく」と町政運営の考えを述べ、最後にコロナ対策についても「町民の方々は一番苦しんでいる。何らかの支援をしなければと考えている」と訴えた。ガンバローコールで気勢を上げ、街宣へ飛び出していった。