開校5年目になる日高川町和佐の和歌山南陵高校(村田雅彦校長)で今春から、新たに男子バスケットボール部が始動した。全国出場や県大会上位と活躍が目覚ましい同校運動系5つ目の部活動。小学生から社会人までの育成や指導に10年以上携わった経験がある教員がチームを率い、1年生ばかりの部員たちも「日本一のチームになる!」を合言葉に練習に励んでいる。

 部員はナイジェリアからの留学生1人を含めて全員が5期生の19人。約半数が身長180㌢以上や170㌢台後半で中学時代はU16長野代表をはじめ、都道府県選抜やクラブチームで全国ベスト4入りの経験がある選手らがそろう。出身は、監督を務める増井拓也教頭(32)の出身地である長野の8人を中心に、和歌山市5人のほか大阪、兵庫、徳島、愛媛。ほとんどが寮生活を送っている。

 増井監督は日本体育協会のバスケットボール指導員で日本バスケットボール協会の公認コーチ。プロを目指してプレーしながら、東京の大学在学時から国立市でクラブチームを立ち上げ、小学生から社会人までを育成した経験がある。その後、東京都立や神奈川県の私立高校で指導し、昨年春から和歌山南陵高校に勤務。昨年度は地元クラブチームの御坊BBCでもプレーしている。

 練習は体育館で、増井監督と同校教員の和中裕輔コーチ(24)=和歌山市出身=が指導。元気で活気あふれる声が響いている。増井監督は「部員はまだ中学生から高校生になったばかり。それぞれうまさはあるが、強さに欠けるので、心身ともに鍛えていきたい。常に新しいものを求めて勉強し、選手たちのモチベーションを保ちながら、メリハリをつけてやっています。上級生がいないので代わりも務めてあげないといけませんね」。同校の運動部は昨年度、硬式野球とサッカーの両部が県大会準優勝の好成績を収めており、「バスケ部は公式戦初出場で初優勝、全国大会での勝ち星が目標。身長も能力も高く、伸びしろ十分な子たちなので楽しみ。勉強や学校生活もきちんとし、日本一にふさわしい選手を育てたい」と話している。

 和歌山市・河西中出身の武田陽君は「楽しさよりも真剣に全国へ行きたいと南陵の推薦をもらいました。みんなレベルが高く、もっと元気を出してやっていきたい」と抱負。長野・臼田中出身で主将に指名された加藤真央君は「質の高い練習を通し、1年目から全国で勝てるチームにしていきたい」と張り切っている。

写真=シュート練習をする部員㊧と指導する増井監督