2020年度子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)の文部科学大臣表彰に、本紙エリアから日高川町の和佐小学校が決まった。和佐小では十数年続けている毎朝の「読書の時間」などに加え、昨年度は新たに全校児童59人で年間3000冊の読書目標を立て、子どもたちだけでなく教職員、保護者、地域、学校司書が一丸となって取り組みを推進。「全く読書をしない児童はいない」という成果を挙げ、高い評価を受けた。

 文科省では02年度から広く子どもの読書活動について関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書を行う意欲を高める活動を推進するため、特色ある優れた実践を行っている学校などに対し、大臣表彰を贈っている。今年度の受賞者は135校、46館、44団体3個人で、県内は3校と1館。表彰式は23日に予定していた「『子ども読書の日』子どもの読書活動推進フォーラム」で行うことにしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。

 和佐小では毎朝10分間、全校で読書に親しんでいる。教職員は児童の近くに常に本があるよう心がけ、教室や廊下に教科書と関連した本、担任らのお薦め本を配置。全校朝礼では校長によるブックトーク(児童に本を紹介する)も行われてきた。16年度に着任した学校司書は、図書室に蔵書から選定した司書お薦めの本コーナーを設け、2年前には近隣3小学校合同の知的書評合戦「ビブリオバトル」開催に一役買った。児童の中からは図書委員が6人選ばれ、図書便りやポップの作成、放送による呼びかけ、イベントの企画などで積極的に取り組みを推進。学校から各家庭へは自宅で読書をする「家読」が呼びかけられ、昨年度からは保護者にお薦めの本を募ったりしているという。

 学校の図書室の蔵書数は4269冊。昨年9月末時点では貸し出し冊数が前年比1・5倍となった。全国学力・学習状況調査の質問「読書は好きですか」では100%の児童が「当てはまる」(どちらかといえば、を含む)と答えており、「全く読書をしない児童はいないという状況を生んでいる」と活動の成果が認められた。

 3月末まで教頭だった川口達生校長は「年間3000冊の目標も達成できました」とし、「このような賞を受賞できるのも和佐、松瀬区から図書費をいただくなど地域のご支援もあってのことで大変感謝しています」と話している。