21日告示、26日投開票の由良町長選に向け、新宮市出身で名古屋市在住のファイナンシャルプランナー、新人の根来英樹氏(50)が7日、正式に立候補を表明した。減少を続ける町の人口を増やし、活気にあふれたまちづくりを目指すとし、選挙期間中も事務所は構えず、街頭演説を中心に支持を訴えるという。根来氏の表明により、元町議会議員山名実氏(63)=吹井=、元町議会議長馬場博文氏(56)=衣奈=との三つどもえの戦いが確実となった。

 立候補を決意した理由は急速な人口減少。「由良町は残念ながら、日高郡(6町)で人口の減少スピードが最も速い。私が立候補しなければ(この流れは)変わらないと感じた」。このまま人口が減れば「水道料金が上がったり、商店の閉店につながる可能性が高く、防災や伝統文化の継承も難しくなる」とし、昨年12月に立候補を決意した。

 その時点では、まだ立候補の手を挙げる人はおらず、「新しい町長が無投票で決まってしまうことが考えられ、住民の意向を反映しづらい町政になってしまうとも感じた」。先に出馬を表明した(山名氏と馬場氏の)2人については、「現状維持以上のことが感じられない。だから私自身の出馬への決意も変わらなかった」という。

 重点政策は子育て支援、教育の充実、高齢者福祉の充実、防災対策、産業振興――の5つ、公約は▽出産祝い金の給付▽奨学金返済支援制度の創設▽敬老祝い金の給付――の3つ。住民の意向を重視した政策を政治信条とし、「各世代が調和する中で、活気にあふれた暮らしやすいまちづくりを目指す。守るべきものを守るために、変えるべきところを変えていきたい」と力を込めた。

 すでに立候補届け出書類の事前審査も済ませた。選挙期間中は1人で活動し、街頭演説を中心に、インターネットサイトなども活用しながら支持を訴えるという。

写真=出馬への動機や公約を語る根来氏(御坊市役所記者クラブで)