県は21日、新型コロナウイルス感染症について、「新たに66人を検査したが、感染者は見つからなかった」と発表した。17日の確認を最後に見つかっておらず、18日から3日連続のゼロの発表となった。

 感染者が見つかった湯浅町の済生会有田病院の関係者や肺炎患者、濃厚接触者らを中心に検体検査を実施。13日から20日までに304人を検査し、陽性は12人、陰性は292人となっている。

 感染患者のうち済生会有田病院の医師2人(いずれも50代)は16日と19日に退院。2人目に感染が分かった医師の妻も20日に退院した。現在の入院患者は9人で、重症の70代の男性は人工呼吸の状態だが、現時点では命に別状はないという。ほか10代の男性は無症状、残りの7人も状態が安定している。

 21日に県庁で開かれた会見では、宮本浩之福祉保健部長と野㞍孝子福祉保健部技監の2人が出席。宮本部長は状況について「検査している中で、陰性が続いている。終息の方向に向かっていると考えている」と述べた。

 この日、仁坂知事は都内にある厚生労働省を訪れ、感染や検査、拡大防止に向けた取り組みの状況を説明。情報を共有しながら対策に当たることを確認し、その後、済生会有田病院内での感染はあったが、広がりは部分的でとどまっており、近く正常に戻れるとの期待感を示した。

写真=20日までの状況を報告する野㞍技監㊨と宮本福祉保健部長