20日は二十四節気の大寒、それから節分までが一年で最も寒い「寒の内」。辛抱の足りない筆者は暑さも寒さも苦手だが、寒い時期にはいいこともある。寒ければ寒いほど、夜空は美しい。星々が、黒い夜空に明るく冴え渡って見える◆昨年12月、かわべ天文公園で行われたイベント「星めぐりを奏でる夕べ」で、星の伝承研究室主宰、北尾浩一さんの講演を取材。著書「日本の星名事典」を購入してサインももらった。「星と生きる」と書かれている。北尾さんは星の和名を40年以上研究しており、著書には、オリオンや北斗七星等の各地の呼び名が記される。今の季節よく見えるオリオンの帯の三つ星は「三光」「三連星(みつらぼし)」「三人坊主」や「団子星」、孝行息子が老いた両親を担ぐ姿に見立てて「親担ぎ星」という凝ったのもある。冥王星の名付け親で父が御坊市出身の天文学者野尻抱影は特にオリオンを愛し、91歳の天寿を全うする時「私の骨はオリオンの右側に撒いてくれ」と言い遺したという◆「亡き人の魂が星になる」という考えは世界中にみられる。17日には阪神淡路大震災から25年の節目として、報道番組で特集が組まれ、亡き家族への思いを胸に今を生きる人々の言葉が紹介された◆これまで取材先の方々の訃報に何度か会ってきたが、今月5日他界された元川辺町議会議長、東良一さんは亡父をご存じで、よく声をかけていただいた。夜空で探すなら星というより満月のような、晴れ晴れとした笑顔が忘れられない◆星は人々の生活のリズムを支える天然の時計であり、海上を行く船乗りたちには行く手を見定める重要な指針だった。亡き人々の幾多の思い出は夜空に光る星々のように、地上に生きる我々の指針となってくれるのかもしれない。(里)