先日、こんにゃく地蔵の愛称で親しまれている、印南町樮川の畑峯六地蔵尊で会式を取材した。美山に住む筆者が言うのもなんだが、切目川の支流となる樮川の地域は結構な山奥。大変失礼な話だが、ど平日の会式に人が集まるのかと思っていたが、なかなかどうして、御坊や田辺市から来た人もおり、餅まきになると多くの人でにぎわっていた。

 関係者に話を聞くと、会式は江戸時代から続く伝統行事で、供えたこんにゃくを持ち帰って食べると家内安全や無病息災のご利益があるという。さらに「詳しくは分からないが」という前置きで「昔、供えていたこんにゃくを食べたら病気が治ったことから、いまのような風習になったのではないか」と話していた。そんなこんにゃく地蔵をインターネットで調べると、検索項目の一番トップに出てきた。ほかにこんにゃく地蔵というワードは見つからず、恐らく唯一無二のお地蔵さまだろう。だからこそ、以前は大型バスで団体客が参拝に来るほど、人気があったらしい。

 ネットでこんにゃくに関する寺院についても検索したところ、「こんにゃくえんま」と呼ばれる東京都文京区の源覚寺がヒット。こちらは眼病を患う一人の老婆が、好物の「こんにゃく」を絶って治癒を祈願したところ、えんま大王が身代わりとなって片目を盲目にし、老婆の視力が回復したという話が伝わっており、こんにゃくを供えてご利益を乞う参拝者が後を絶たないという。

 畑峯六地蔵尊と源覚寺ではこんにゃくに関する物語が若干違うが、こんにゃくを通じたユニークな縁で、何か互いの地域交流や観光客誘致につなげられないものだろうかと、ふと思った。(吉)