印南町樮川地内の山頂を通る黒潮フルーツライン(農業用道路)沿いで、「みはらし峠」と名付けられた広場の整備が進められている。遠くまで連なる山々や夕日など、美しく雄大な自然のパノラマが文字通り見晴らせる絶景ポイント。地元有志がサクラやモミジの植樹、木製ベンチ作りなどを9年越しでコツコツと進めており、思い描いていた整備の実現までもう一息だという。

 黒潮フルーツラインは印南町樮川とみなべ町西本庄を結ぶルートで、2010年度に完成。樮川地内を通る山頂の場所(標高約230㍍)からは東向きに遠くの山々が見渡せ、近くの山頂には13基の風力発電施設もそびえ立つ。西を向けば水平線があり、冬場は夕日が沈む様子も美しく、天気がよければ四国も見える。

 樮川の会社員西岡忠男さん(67)は山頂の素晴らしい景色にほれ込み、11年度から友人の大村幹男さん(73)らの協力を得て、広場の整備を始めた。面積は駐車場を含めて約1000平方㍍。最初の3年間は県の補助金を活用したが、その後はアルミ缶回収など自分たちで資金を調達して植樹用の苗を少しずつ購入。これまでにサクラ(ソメイヨシノ)120本はじめ、モミジ、ツツジの植樹、花壇にはスイセン球根5000個、ヒガンバナ5000本を植栽した。林業経験がある西岡さんは木製ベンチや机なども手作り。簡易のトイレも設置した。地元主婦も草引きなどの管理で協力。3年前には広場を「みはらし峠」と命名、知る人ぞ知る名所になっており、今月1日早朝には約60人が訪れ、初日の出を拝んだ。

 西岡さんは「樮川も過疎化が進む中、何か後世に残せる場所をと思い整備しています。訪れた人から『いい場所ですね』と喜んでもらえるのがやりがい」とにっこり。「2月にはまたサクラの苗25本を植えます。モミジの苗がシカの食害に遭い対策も必要ですが、あと1年ぐらいで頭に描いていた広場の構想はだいたい完成すると思います」と話している。

写真=絶景が望めるみはらし峠で西岡さん㊧と大村さん