みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会と東京大学がコラボして、地域循環共生圏と世界農業遺産を考えるシンポジウムが県民文化会館であった。㈱三菱総合研究所理事長で東京大学第28代総長の小宮山宏さんの「プラチナ社会~2050年の地域社会の姿を考える、共に創る」の講演が興味深かった。今後、日本が向かうべきは自給社会だと提唱し、とくに地方にとっては明るい未来が待っている内容だった。記事では掲載できなかったので、紹介したい。

 世界の車の台数やビル建設が飽和状態となり、鉄の需要が飽和することで2050年には世界の鉄鉱山がつぶれる▽今後、新しい発電所は太陽光や風力など再生可能エネルギーに変わる。これまでの地下資源(金属資源と化石資源)が今後、再生可能エネルギーと都市鉱山に置き換わる。地下資源のない日本にとってこんないいことはない。エネルギー、鉱物資源、食料、木材など輸入総額は年間約30兆円。これが国内産業に変わる。地方には50兆円の産業が生まれる▽木材需要が増え始めている。最大のネックだった耐火性をクリアしたことで、純木造の10階建てのビルがすでに10棟発注されている――など。今後、地方にビジネスが生まれるだろうと。

 人生100年時代、小宮山さんが東京で丸の内プラチナ大学を開講すると、現役引退後の30~35年をどう生きるか考えるサラリーマンがたくさん来ているという。逆参勤交代と名づけた各地方に行っていろんな働き方を探す人がたくさんいるという。この話だけでも地方には大きなチャンス。1次産業の担い手不足、観光など抱える課題の解決は、地方と都市のつながりが糸口になりそう。(片)