大阪府和泉市在住の尾﨑しのぶさん(旧姓・佐藤)が27日、御坊市東町の実家で見つかった生島竹雨(いくしま・ちくう、1898~94)の屏風を同市御坊の日高別院に寄贈した。全長約8㍍、高さ約1・7㍍で、水墨で描かれた山水画。尾﨑さんは「家では保管が大変なので、こうした広いお寺にもらっていただければありがたいです」と話している。日高別院は寺の行事や法要の際、参拝者らに披露したいという。
竹雨は島根県松江市の生まれで、大正から昭和時代前期にかけて活躍した日本画家。鏑木清方に師事し、版画の平塚運一らとともに「松江絵を語る会」同人として活躍した。
尾﨑さんの実家は以前、佐藤仏壇店を経営。しのぶさんは結婚して大阪で生活しているが、いまでも御坊には月に2、3回程度帰っているという。屏風は10月に里帰りした際、いまは誰も住んでいない自宅の離れの2階の蔵から木箱に入った状態で見つかった。
1枚の高さは1・7㍍で、横幅は65㌢あり、全部で12枚となる六曲一双屏風。保存状態もよく、迫力ある山並みがきれいに描かれている。余白に28文字の漢詩が画讃として書かれている。
歴史に詳しい地元関係者によると、「昔の画人は旅先の民家で絵を描くことがあり、生島竹雨も佐藤さん宅に宿泊して絵を描いたのでは」と話している。
贈呈式は日高別院で行われ、尾﨑さんから原吉人副輪番に目録を手渡した。尾﨑さんは「これから家で保管しておくのも大変なので、お寺で役立ててください」と話し、原副輪番は「大変貴重な屏風をいただき、とてもありがたい。大切に使わせていただきます」とお礼の言葉を述べた。
写真=屏風を前に左から尾﨑しのぶさん、夫の光茂さん、原副輪番


