ラグビーワールドカップが開幕し、日本が初戦を白星で飾り、大いに盛り上がっている。4年前、日本が強豪を次々と破って一気に注目度が上がり、いい流れでの今回の自国開催。屈強な男たちのパワーとスピード感あふれる試合は、ラグビーをあまり知らない人でも楽しめるのではないだろうか。ラグビーがより身近なスポーツとなり、競技人口が増えれば将来的に日本はさらに強くなるだろう。子どもたちが夢を描く、そんな大会になればと思う。

 ラグビーと同じく日本で開催されている、もう一つのワールドカップが、バレーボールだ。世界の強豪が集う中、日本女子は勝ちきれない試合の中でも手に汗握る接戦を演じ、テレビ観戦も思わず力が入る。とくに存在感が突出しているのは、石川真佑選手。イタリアで活躍する男子代表エースの石川祐希選手の妹で、高校では東京の超強豪校・下北沢成徳で全国制覇を経験しているエリート中のエリート。身長171㌢、バレーボールのトップリーグではかなり小さいが、190㌢を超える世界の強豪相手にスパイクを決める姿は素直にかっこいい。

 バレーボール、とくにスパイカーは「身長が高くなければ世界と戦えない」というイメージが強かったが、同じく日本代表の新鍋理沙選手も173㌢。ジャンプ力や、相手のブロックをどう弾くかなど技術と判断力を磨けばトップレベルでもやっていけるということを体現してくれている。バレーボーラーを志す子どもたちには大きな希望になったのではないだろうか。日高地方では小学生や中学生バレーが盛ん。身長が高くなくても、将来、トップリーグで活躍する選手が出る可能性は大いにある。身長なんて関係ない。(片)