24日に兵庫県明石トーカロ球場などで開かれる第64回全国高校軟式野球選手権大会に、南部高校が5年ぶり(3度目)に出場する。県予選、近畿大会とも決勝は完封勝利をおさめるなどバッテリーを中心とした高い実力を持ち、全国の強豪と練習試合を重ねるなど調整も万全。「全国制覇」を合言葉に選手、スタッフのモチベーションも高く、南高旋風を巻き起こせと、期待と注目が高まっている。

 全国大会にはブロック予選を勝ち抜いた16チームが出場し、トーナメントで優勝を争う。南部は1回戦で松商学園(北信越・長野)と対戦する。開会式では南部の山本真生主将が選手宣誓する。

 南部は守りからリズムをつくり、ここ一番の勝負強い打撃が持ち味。チームを支えるのは、池田哲也監督の信頼が厚いエース宮本楓投手と坂本捕手のバッテリーだ。宮本投手はキレのあるストレートとカーブ、チェンジアップを巧みに使う投球術で凡打の山を築く。県予選は準決勝、決勝、近畿大会も決勝を完封しており、実力は全国でも上位。2年からバッテリーを組む捕手の坂本選手はリードはもちろん、捕球のうまさ、盗塁を許さない強肩とすべてが一級品。クリーンアップの一角を任され、打撃でも投手を助ける。昨年からコンビを組む2人は息ぴったりで、宮本投手は「自分の投球をして全国の頂点に立ちたい」、坂本選手は「打って走って守って、すべてで活躍したい」という。

 守備陣も堅守でエースを盛り立てる。近畿大会決勝の天理戦では、息詰まる投手戦の中、失策ゼロで流れをつくり、最終回に均衡を破る2点を挙げ、2―0で勝利した。練習でも「劣勢を想定」することで、本番ではどんな状況でも冷静にプレーできるようになった。

 南部高校を指揮して19年目、全国大会が2度目となる池田監督は、「バッテリーを中心に堅い守りで守備の時間が短く、集中して攻撃できているのが結果につながっている。練習試合で全国の強豪とも十分戦えており、手ごたえはある。目標は全国優勝、選手たちはその実力を持っている」と闘志を燃やす。

 南部のメンバーは次の皆さん。

 池田哲也(監督)、古川鈴、永井理瞳(以上マネジャー)、宮本楓基、坂本隆飛、磯本蓮樹、山根啓登、宮本矩琉、山本真生、貫尾壮汰、小山由基、岩本大輝、坂内佑磨、中川祥吾、前田雄史、新田紳一郎、小山潤成、森山颯大

写真=本番を直前に池田監督の指導を熱心に聞く南部ナイン