勤務する小学校の女子更衣室に盗撮目的で置き時計型のカメラを設置したとして、御坊署は12日、御坊市に住む教諭の男を県迷惑防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の疑いで逮捕した。教諭は「カメラは時計として置いただけで、盗撮するつもりはなかった」と容疑を否認しているという。また、教諭の持ち物から学校で撮影したとみられる女子児童の着替え動画が見つかっており、関連や余罪を追及していく。

 逮捕されたのは、印南町内の小学校の教諭で、調べによると、教諭は7月1日ごろ、体育館の女子更衣室に盗撮するため置き時計型で録画もできるカメラを設置した疑い。7月中旬ごろ、匿名の男性から「小学生の女の子が着替える更衣室に隠しカメラが設置されていたと聞いた」と通報があった。

 学校によると、盗撮の疑惑が浮上したため本人の了承を得て、SDカードや学校と自宅にあるパソコンのデータを調べたが何もなかったため、7月18日に保護者説明会を開いて状況を伝えた。しかし、保護者からの疑念が払拭(ふっしょく)できなかったことから、24日に警察に調査を依頼し、教育委員会とともに捜査に全面協力。御坊署が提出されたハードディスクの解析を進めた結果、また、学校や教育委員会には出していなかったマイクロSDカードから、学校で撮影したとみられる女子児童が着替えている画像、動画が見つかった。教諭は「別のカメラで撮影した」と供述しており、今後、詳しく調べていくとしている。

 逮捕を受け、12日夜には学校で緊急の保護者説明会も開いた。

 関係者によると、教諭は休憩時間には子どもと一緒に遊ぶ気さくな先生だった。校長は「身の潔白が証明されると信じていたが…」とショックを隠し切れない様子で、「児童、保護者、地域の皆さまの信頼を大きく損ない、深くお詫び申し上げます」と陳謝。平尾潔司教育長も「残念でならない。深くお詫び申し上げたい。今後は児童の心のケア、安心を第一に対応したい。服務規律の順守、綱紀粛正を徹底し、信頼回復に努めてまいりたい」と話している。