昨年9月4日に襲来した台風21号の影響によって、広範囲かつ長時間にわたり発生した停電で、関西電力株式会社は今年の本格的な台風シーズンへ、「停電の早期復旧」「お客さま対応」「自治体との連携」それぞれの強化へ取り組む。「お客さま対応」ではタイムリーに停電情報を届けるプッシュ型の無料アプリ運用を開始。併せて復旧の進捗(しんちょく)状況をホームページ上で知らせるシステムも早期開発していく。

 昨年の台風21号は9月4日正午ごろに徳島県南部、午後1時ごろに兵庫県洲本市に上陸し、列島を縦断。最大瞬間風速は大阪府田尻町の関西空港で秒速58・1㍍、和歌山市で57・4㍍を観測した。それらの影響で、同日午後9時で大阪府の97万件や和歌山県の24万件はじめ、8府県で最大計168万件、同20日の復旧完了まで、延べ220万件の停電が発生した。

 これを受け、同社は今後の大規模災害におけるより的確で盤石な対応を図るため、「台風21号対応検証委員会」を設置。「停電の早期復旧」「お客さま対応」「自治体との連携」の観点から、対応を検証、課題を抽出、対策を検討し、報告として取りまとめた。

 その取り組みによると、無料アプリ「関電停電情報」は、ダウンロードしておくと、スマートフォンで停電情報が確認でき、さらにアプリを開かなくてもプッシュ通知で情報が届く。関西の全域から府県、市区町村、地区ごとに見られ、地区まで絞り込むと停電の発生時間や復旧見通しも確認可能。「お客さま対応」ではこのほか、コールセンター以外の受付機能強化へ、AIを活用した停電情報自動応対システムも9月上旬に導入する予定という。

 「お客さま対応」以外の「停電の早期復旧」では被害全容の早期把握に向け、調査班の早期増強やドローン等を活用。復旧工事の体制強化へ社会、他電力会社、協力会社の応援強化を図る。「自治体との連携」では関係する自治体と個別に協議を進め、災害時の情報連絡体制の確立・強化を行うとともに、障害物除去に関する事前協議や優先復旧施設の考え方を相互確認。連携強化に取り組んでいくとしている。

 同社は「中長期的なものも含む全ての取り組みを着実に実施し、得られた教訓をしっかりと継承していくことで、電気をはじめとするエネルギーを安全かつ安定的にお届けし、社会の皆さまの暮らしを支えるという大切な使命を果たしてまいります」としている。

写真=スマホで見られる「関電停電情報」